先輩〜!以前、クレジットスコアの上げ方のコツを教えてもらっていたので、半年で700台にもっていくことができました。なので、そろそろ2枚目のクレジットカードを作りたいです!
順調だったね。2枚目のクレカを作ってもいい頃だね。
アメリカ駐在系ブログでよくみる、高級ホテル系のクレカが気になっているんですよね。「Hilton Honors American Express Surpass Card」とか。
うーん、正直、今は高級ホテル系のクレジットカードを作るのは全然おすすめしないよ。他にお得なクレカがいっぱいあるからね。
そうなんですか?
詳しく説明するね。
時間がない人のために、先に結論!
- ヒルトンやマリオットなどの高級ホテル系クレジットカードはポイントの価値が低い
- ヒルトン、マリオット、IHGのポイントプログラム
- 1ポイント=0.5〜0.8セント
- 系列ホテルでしかポイントを使えない
- 2022年からポイント交換もダイナミックプライシングになったため、お得ではなくなった
- AMEX、Chase、Capital Oneなどのポイントプログラム
- 1ポイント=1.0〜1.5セント
- 高級ホテルや航空券をはじめ、多くのところでポイントが使える
- ヒルトン、マリオット、IHGのポイントプログラム
- 高級ホテル系クレカでは節約できない
- 宿泊料金は無料になるけれど、レストランでのディナーなどが割高で、結果的に出費が多くなる
- 系列ホテルしか使えないため、安くてお得な高級ホテルが使えない
- 高級ホテル系クレカがお得に使えるのは出張が多い駐在員だけ
ヒルトンやマリオットのクレジットカードをおすすめしない理由
豪華ホテルに泊まることは否定しません
まず、大前提として、豪華ホテルに泊まること自体は、まったく否定しないよ。アメリカ駐在って、本当に家族みんなにストレスがかかるから、たまの休みぐらい、豪華ホテルでゆっくりするっていうのは、良いことだと思うよ。
それなら、ヒルトンやマリオットのクレジットカードを作るとお得なんじゃないですか?
いや、ヒルトンやマリオットのクレカは実はあまりお得じゃないんだ。3つの観点から説明するね。
高級ホテルの1ポイントの価値は他よりかなり低い
1つ目が、高級ホテルのポイントの価値が他社よりかなり低いこと。
どういうことですか?
アメリカ駐在系ブログでとくに人気な「Hilton Honors American Express Surpass Card」を例にして考えてみよう。このカードを申し込んで、条件を満たせば、入会キャンペーンとして17万ポイントがもらえるんだ。
17万ポイント!めっちゃすごいですね!
一見、すごそうに聞こえるよね。でも、ヒルトンの17万ポイントって、どれぐらいの価値があるか知ってる?
言われてみれば、全然知らないですね・・・。
ヒルトンのポイントは、1ポイント=0.6セントぐらいだから、17万ポイントで1,000ドル分ぐらいだね。これだけで、ヒルトンに3〜4泊できる計算になるね。
十分多くないですか?
この数字だけをみるとお得だね。でも、実はヒルトンやその他の高級ホテルのポイントって、他社のポイントに比べると価値が低いんだ。たとえば、IHGは1ポイント=0.5セントぐらいで、マリオットは1ポイント=0.8セントぐらいだよ。
それって低いんですか?
うん、低いね。AMEX、Chase、Capital One、Bilt、Citiなどのポイントプログラムだと、1ポイント=1.0〜1.5セントぐらいだよ。
かなり違いますね!
うん。1ドルの支払いにつき1ポイント貯まるから、ヒルトンやマリオットのクレカで決済していると、AMEXやChaseの2〜3倍損をしていることになるんだ。
めっちゃ損ですね・・・。
ポイントシステムの改悪でお得さがなくなった
2つ目は、高級ホテルのポイントプログラムの改悪により、ポイントの価値が急低下していること。
どういうことですか?
実は、高級ホテルのポイントプログラムは、2022年まではそれなりにお得だったよ。たとえば、マリオットのポイントが5万ポイントあったら、5〜7万ポイントの価格帯のホテルに泊まれたんだ。つまり、5万ポイントがあれば、2万ポイント分お得に泊まれていたんだ。
今は違うんですか?
うん。以前、ホテルをお得に予約する方法を説明した時に、今は、Booking.comなどのオンライン旅行代理店じゃなくて、ホテルに直接予約した方が安いって話をしたよね。
そうでしたね。ダイナミックプライシングという、新しい料金設定システムのツールが開発され、各業界に広がり、ホテルが旅行代理店に頼らなくても、利益を最大化できるようになったんですよね。
そうそう。実は、高級ホテルの宿泊料金だけでなく、ポイントプログラムにもダイナミックプライシングが広がっているんだ。
そうなんですか。
なので、今では、5万ポイントをもっていると、5万ポイントの価値をもつホテルにしか泊まれなくなったんだよね。
なるほど。だから、今までみたいに、「5万ポイントで、7万ポイントの価値があるホテルに泊まれてお得!」みたいなことは起きなくなったんですね。
そういうこと。ヒルトン、マリオット、IHGは、ポイントでの宿泊にダイナミックプライシングを使っているので、お得ではなくなったんだ。
それは残念。
高級ホテルの宿泊は節約につながらない
3つ目は、高級ホテルの宿泊が節約につながらないこと。
どういうことですか?
高級ホテルのポイントを使えば、確かに無料で泊まれてお得だよね。朝食も無料でついてくることも多い。
そうですね。
ただ、ホテル内のレストランで晩ご飯を食べるなら、普通のレストランよりかなり高くなるよね。
そうですね。僕も前に、ヒルトンのレストランで、よくわからないパスタに50ドルぐらい払ったことあります。
つまり、ホテルに無料で宿泊したとしても、それ以外のところで、割高なサービスにお金を使うことになるから、結果的に、お得ではなくなっているんだ。
確かに、ヒルトンにはじめて泊まったとき、高級ホテルだな〜って思いましたが、正直、思っていたほどではなかったし、むしろちょっとコスパ悪く感じました。
そうだね。それが多くの日本人がもつ感想だよ。日本のヒルトンやマリオット系列のホテルであれば、比較的安い料金で、最高品質のサービスを受けられるから、満足度が高いんだけど、海外の高級ホテルは、日本人感覚だとちょっと微妙に感じることが多いんだよね。
そうですね。
結局、高級ホテルのポイントがお得じゃない理由は、その系列のホテルしか使えないからなんだ。どこかに旅行に行ったとき、ヒルトンやマリオットと同じぐらいの格式で、レビューが高く、料金が安いホテルなんて山ほどあるよ。それなら、そういったホテルを使った方がコスパが良くてお得だし、満足度も上がると思う。
確かに、日本ではヒルトンやマリオットが日本に多く進出してるので有名ですが、アメリカにはそれ以外にもたくさん人気の豪華ホテルありますもんね。でも、どうやってお得なホテルを探せばいいんですか?
アメリカでのお得なホテルの探し方は、こっちにまとめたから、チェックしてみて。
ヒルトンは満足度が高くない
4つ目は、そもそもヒルトンはそんなに満足度が高くないこと。
そうなんですか?
アメリカ駐在員の間では、ヒルトンは高級ホテルと言われるよね。でも、アメリカでは正直全然人気ないよ。
知りませんでした。
たとえば、フォーブス(Forbes)の高級ホテルランキングをみてみるとこんな感じだよ。
え、ヒルトン入ってないんですか?
うん、入ってないね。色々な調査会社とかのランキングをみても、最近のランキング1位はウォルドルフ・アストリア(Waldorf Astoria)だね。
初めて名前聞きました・・・。
日本ではまだあまり知られていないからね。アメリカのお金持ちの間では超有名だよ。
それ以外は聞いたことあるホテルもあります。
うん、大体いつもランキング最上位にあるリッツカールトン、フォーシーズンズは安定して素晴らしく、ヒルトンやマリオットとは正直全然比較にならないね。
なるほど。せっかくアメリカで高級ホテル泊まるのなら、アメリカでも1番人気のところに泊まりたいですね!
そうだね。ヒルトンやマリオットに泊まると、日本人感覚だとあまり満足できないのがほとんどだから、どうせ高級ホテルに泊まるのであれば、料金は上がってしまうけれど、ウォルドルフ・アストリアあたりには、アメリカ駐在中に一度は泊まっておきたいね。
ですね!
高級ホテル系クレカは出張が多い人にはお得
今までの話をまとめると、普通のアメリカ駐在員や駐在妻(夫)の方には、ヒルトンやマリオットなどの高級ホテル系のクレジットカードは全然おすすめしないよ。それなら、キャッシュバック還元率が高いクレカを使った方が、トータルでみると絶対にお得だよ。
ふむふむ。じゃあ、アメリカ駐在では高級クレカ系は不要ですね。
いや、実は1つだけ例外があって、高級ホテルのクレカをお得に使える人もいるんだ。それが、出張が多い人。会社の出張で、マリオットやヒルトンによく泊まる場合、そのホテルのクレカを持っていた方が絶対にお得だよ。
どうお得なんですか?
高級ホテルのクレカでは、ポイントによる無料宿泊だけじゃなく、ホテルの上級会員になれるという大きなメリットがあるんだ。
ホテルにも上級会員とかあるんですね。どう違ってくるんですか?
上級会員になると、当日に部屋に空きがあれば、上のランクの部屋に無料アップグレード出来たりするよ。あとは、チェックインの時間を早めたり、チェックアウトの時間を遅くしたりもできるよ。部屋の中で、時間を気にせずゆっくりできるのはありがたいね。
めっちゃお得ですね!
そうだね。それぞれの高級ホテルでおすすめのクレカは以下の通りだよ。有料のクレカの方がお得なことが多いけど、無料のクレカにしても全然大丈夫だよ。
- ヒルトン:Hilton Honors American Express Surpass Card(年会費150ドル)
- マリオット:Marriott Bonvoy Boundless Credit Card(年会費95ドル)
- IHG:IHG One Rewards Premier Credit Card(年会費99ドル)
- ハイアット:World of Hyatt Credit Card(年会費95ドル)
- ホテル・航空券全般:Chase Sapphire Preferred Card(年会費95ドル)
出張が多い人は、ここから好きなホテルを選べばいいですね。
そうだね。もし出張でマリオットにいつも泊まれるならマリット系のクレカにすればいいよ。この中では、マリオットの数も一番多いしね。ただ、もし出張先のホテルを選べないなら、「Chase Sapphire Preferred Card」がおすすめだね。このクレカなら、色々なホテルのポイントを効率的に貯められるし、ポイントの使い道も豊富だからね。
なるほど。高級ホテル系のクレカを使うとき、何か注意することはありますか?
1つ気をつけて欲しいのは、やっぱり高級ホテルのポイントって価値が低いから、目指している上級会員のステージに達したら、あとは価値が高いポイントのクレカを使っていくことだね。こうすれば一番お得にクレカを使えるよ。
アメリカ駐在系ブログで高級ホテルのクレカ推しが多い理由
10年前のアメリカ駐在の幻想を引きずっている
一応、結論としては、高級ホテルのクレカはお得じゃないので、おすすめしないことになるね。
そんなにお得じゃないのに、なんでアメリカ駐在系ブログで、ヒルトンやマリオットのクレカが激推しされているんですかね?
理由は3つ考えられるよ。1つ目は、昔のアメリカ駐在の幻想を引きずっているから。
どういうことですか?
2010年代前半ぐらいまでは、アメリカ駐在員って、比較的余裕のある生活が出来ていたんだよね。アメリカでは、リーマンショックもあったりして大変だったからね。それこそ、駐在員はよく高級ホテルに泊まったり、アフタヌーンティーに行ったりしてたね。
そうだったんですね。
でも、2010年代後半から今日まで、アメリカはどんどん経済成長している一方、日本は一部の優良企業を除けば、苦戦が続いているよね。あと、物価や給料もアメリカは毎年ずっと上がり続けてるけど、日本はほとんど変わってないからね。なので、ここ5〜10年ぐらいは、アメリカで普通に生活しているだけでも、お金が足りないと感じるようになっているんだ。
確かに、アメリカにきて、色々なものの高さにいつも驚いています。逆に言えば、日本は物価が低すぎるとも感じますね。
なので、今のアメリカ駐在員家族って、10年前ぐらいに比べると、生活の余裕がないんだ。でも、自分の少し上ぐらいの世代が、アメリカで華やかな生活を送っていたのを知っているから、自分も有名な高級ホテルに泊まったりしたいと思う人が多いんだよね。
でも、日本企業からの給料だけでは、そういう生活を送ってしまうと、すぐに貯金がなくなってしまいますね。
そうだよね。繰り返しになるけど、高級ホテルに泊まること自体は悪いことじゃないんだ。ご褒美は大事だからね。ただ、高級ホテルはマリオットやヒルトン以外にもたくさんある。でも、特定のホテルのクレカを作ってしまうと、他にお得な高級ホテルがあっても泊まれないから、結果的に損をしている可能性が非常に高いよ。
それは考えたことなかったです。気をつけます・・・。
あるいは、ホテルは少し安いところを選んで、それ以外のところにお金を使うのもいいね。高級ホテルの体験は世界中ほとんど一緒だから、それよりはアメリカの大自然や文化、エンターテインメントを体験できるアクティビティに参加した方が、個人的には満足度が高いかな。
クレジットカードをブログで紹介して、報酬を得るため
2つ目は、自分のブログで紹介して、読者がクレカを申し込むことで、紹介料をたくさん稼げるから。
いつも言っている、アフィリエイト・PRってやつですね。
そうだね。そういうブロガーは、みんながクレカを申し込んで、ポイントやお金をもらっているから、とにかく華やかな生活だけをブログに書くんだ。「3日間、無料でヒルトンに泊まってきました〜」とかね。
そういうブログよくみます。
当たり前だけど、お金をたくさん使えば、ポイントは貯まるし、そうすれば無料でホテルも泊まれる。でも、高級ホテルのポイントは、他の会社のポイントより価値がだいぶ低いから、結果的に損しているんだよね。
そうでしたね。
裏側のことを言うと、アメリカ駐在系ブログの人たちは、みんながたくさんクレカを申し込んでくれているから、そこで得たお金やポイントがいっぱいあって、それで華やかな生活が出来ているんだよね。アメリカ駐在系ブログで検索して、上位に出てくるブログだったら、月に100万ぐらいは、本業にプラスして稼いでいるだろうからね。でも、そういったお金持ちの華やかな生活を、普通のアメリカ駐在員が真似したところで、貯金がなくなるだけだよ。
あの人たちそんなに稼いでたんですね・・・。
ポイント価値の違いを理解していない
3つ目は、ポイントの価値の違いを理解していないから。
ふむふむ。
さっきも言ったけど、各社独自のポイントプログラムを持っているけど、1ポイントの価値はかなり違うよ。高級ホテル系は、AMEXやChaseとかに比べると、かなり低かったよね。
そうでしたね。
なので、本当にお得なクレジットカードを作りたいなら、ヒルトンやマリオットみたいに、ポイント価値が低く、使い道も限定されたクレカよりも、キャッシュバック還元率が高いクレカを作った方が絶対にお得だよ。
なるほど。具体的に、何がおすすめなんですか?
それはまた次回詳しく説明するね。
まとめ:高級ホテル系クレカはポイント価値が他社より低いので使うと損
- ヒルトンやマリオットなどの高級ホテル系クレジットカードはポイントの価値が低い
- ヒルトン、マリオット、IHGのポイントプログラム
- 1ポイント=0.5〜0.8セント
- 系列ホテルでしかポイントを使えない
- 2022年からポイント交換もダイナミックプライシングになったため、お得ではなくなった
- AMEX、Chase、Capital Oneなどのポイントプログラム
- 1ポイント=1.0〜1.5セント前後
- 高級ホテルや航空券をはじめ、多くのところでポイントが使える
- ヒルトン、マリオット、IHGのポイントプログラム
- 高級ホテル系クレカでは節約できない
- 宿泊料金は無料になるけれど、レストランでのディナーなどが割高で、結果的に出費が多くなる
- 系列ホテルしか使えないため、安くてお得な高級ホテルが使えない
- 高級ホテル系クレカがお得に使えるのは出張が多い駐在員だけ